10年後には、世界の半数の車が自動運転EVになる
識者に聞く、2040年のモノとわたしたちの生活〈前編〉
■わたしたち人類の「未来への道のり」は
2040年、私たちの生活は一体どうなっているのだろうか。10年前、AIやスマートフォンがここまで普及すると考える人はいなかっただろう。そんななかで2040年の予想を立てることは難しいように思えるが、実はロードマップが存在する。
『シンギュラリティ・ビジネス』著者、齋藤和紀氏によれば、「アバンダンス360」という世界トップCEOを集めたカンファレンスのメンバーおよびシンギュラリティ大学の講師陣が『未来への道のり』として今後20年間に実現するテクノロジーをまとめている。画像がそのロードマップを齋藤氏が訳した物だ。
2018年を見てみる。
「例えば、今年であれば量子コンピューティングの優越性が証明されるのではないかと予想されています。これまで量子コンピューティングが“本当にすごいものかどうか”は判断が分かれるところでしたが、昨年末から話題が沸騰し、既存のコンピューティングに優越する部分がある可能性があると分かり始めてきています。また、昨今話題のAIに“感情インターフェースが加わること”も予想されていますね」
AlexaやSiriなど、AIの発達は目まぐるしいが、それは便利ではあってもあくまで機械的なコミュニケーションであった。「ロボットやAIと人間の違いは感情の有無」とは、ずっと言われてきていたことだが、そこについに感情のようなものが加わるのだ。
「人間は、相手がロボットだとわかっていても感情的なフィードバックを続けられると段々と“人間だ”と思うようになっているようです。また、例えば、犬型ロボットの『aibo』は、どこからどう見ても機械ですが、愛くるしい仕草などを行うと多くの人が可愛いと思う。今後は、人間をカメラで認識し、表情や心拍などの反応を見ながら人間の感情をコントロールするAIやロボットが数年以内に出てくるのではないでしょうか」
このような、AIの進化が取り沙汰されると、決まって「AI脅威論」がささやかれる。映画『ターミネーター』のような、AIや機械に支配される世界になってしまわないかという危惧だ。しかし、進化したAIは我々の生活を強烈にアシストしてくれるという。
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